書評・読書感想

哲学用語図鑑(田中正人著 プレジデント社)

わずか1ページ又は見開き2ページの紙幅で、難解な哲学概念の本質を説明することに成功しています。 このような仕事は、哲学への真の理解と愛情、専門家やリテラシーのある読者からの批判を恐れない勇気、見えない概念を図解するクリエイティビティがなけれ…

芦花公園著「異端の祝祭」角川ホラー文庫

Twitterでおすすめされていたのを覚えていて購入。読み出したら一気読みで止まりませんでした。なんだこの面白さは… 貴志祐介先生の「黒い家」や、平山夢明先生の「東京伝説」シリーズ、翻訳だと「羊たちの沈黙」などの結局一番怖いのは人間だよね系のサイコ…

芦花公園著「漆黒の慕情」角川ホラー文庫

いやー、前作「異端の祝祭」に引き続き今作もすごかった。没入感は前作以上でした。 母子関係が作品全体の通奏低音となっていて、人間模様に心が揺さぶられます。 芦花公園先生は女性だと思っているのですが、覆面作家なのでその辺もミステリアス。 令和5年5…

芦花公園著「聖者の落角」角川ホラー文庫

佐々木事務所シリーズ第3作目の「聖者の落角」読了。 素直に感想を書けばよいところを話が遠回りになってしまうのだが、私が地方公務員の仕事を選び、うつ病で休職している現在も復職を目指している理由は、私の仕事を通して、誰一人として自ら死を選ぶこと…

芦花公園著「ほねがらみ」幻冬舎文庫

芦花公園著「ほねがらみ」読了。 芦花公園先生の佐々木事務所シリーズ3作を立て続けに読んだ後で、デビュー作の本書を手に取りました(私は面白い小説に出会えると、同じ作者の本を続けて読む癖があるのです。)。 ノンシリーズの作品かと思っていたら、まさ…